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大きなサプライズとなった日銀による長期金利の利上げ・・・今後の住宅ローンや円相場への影響

2022.12.26

先週20日、日本銀行は長期金利(10年国債利回り)の変動許容幅の上限を従来の0.25%から0.50%まで引き上げる決定を行いました。各国の中央銀行が利上げに動く中、米国との金利差拡大を主因とする円安による悪影響等、日本でも長期金利の上昇圧力が高まっていたことが今回の利上げの背景にあります。

2013年に黒田総裁が就任後、「2%の物価目標をできるだけ早期に実現する」ことを目標に大規模金融緩和を開始しました。2016年からは、短期金利をマイナス0.1%、長期金利の指標になる10年物国債利回りを0%程度に誘導するイールドカーブ・コントロールを導入し、短期・長期ともに金利をコントロールしてきました。

黒田総裁はつい数か月前にも「2~3年は金利を上げるつもりはない」との趣旨の発言をしていたこともあり、今回の利上げは、市場に大きなサプライズを与え、とりわけドル円相場は1ドル137円台から一時130円台まで急激な円高となりました。

では、今回の利上げによる今後の住宅ローン金利と円相場の見通しについて考えてみたいと思います。

まず、住宅ローン金利ですが、固定型金利は新発10年物国債利回りに連動しますので、今後、固定型金利は上昇してくるものと想定されます。他方、変動型金利は短期プライムレートに連動しますので、今般の長期金利の利上げによる直接的な影響はありません。勿論、日銀が短期金利の引き上げについても今後進めてくる可能性はありますが、現在の経済環境並びに日銀の財務状況を勘案すると、短期金利の引上げ幅は限定的であるというのが当社リサーチ部の見方です。

次に、ドル円相場への影響です。今回の利上げについて「大規模緩和の終わりの始まり」と捉えて、今後も大幅に円高に進むとの見方もありますが、当社リサーチ部としては、日米の金融政策の違いを踏まえ、2023年は140円台に向けてゆっくりと円安方向に進んでいくというのが基本的なシナリオです。

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