2025.04.18

成年後見制度の「法定後見」と「任意後見」の主な違いとは13

認知症などにより判断能力が低下した人を支える成年後見制度。高齢化に伴い、利用者は増加傾向にあります。
成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」の2つがあります。

法定後見とは

法定後見は、本人の判断能力が低下した場合に、親族等が家庭裁判所に申し立てることで開始します。後見人が選任されると、特別の事情がない限り、本人が死亡するまで続きます。
本人の判断能力の程度により「後見」「保佐」「補助」のうちどれかが決まり、法定後見人には「代理権」「同意権」「取消権」等が与えられます。後見人は、本人の利益のため与えられた範囲内で権限を使います。

任意後見とは

任意後見では、本人の判断能力が十分なうちに、将来的に任意後見人になる人との間で、公正証書により任意後見契約を締結します。やがて本人の判断能力が低下し、任意後見人の後見事務を監督する「任意後見監督人」が家裁により選任されたら、任意後見がスタートします。
権限は本人の財産管理に限られ、積極的な資産運用はできません。

注意点として、任意後見人には取消権がないため、判断能力の低下した本人が誤って何かの契約をしてしまった場合でも、任意後見人はその行為を取り消すことはできません。
また、本人の死後に生じる事務については権限が及びません。

まとめ:家族に合わせた大切な権利や財産を守る方法を考えよう

後見制度は家庭裁判所の管轄となり報告義務などの負担があるほか、財産を積極的に活用できないなどの制約があります。
信頼のおける家族がいて、認知症後も積極的な資産運用をしたい場合は、家族信託などの制度を使うのも選択肢のひとつです。
大切な権利や財産をどのように守っていくか、今のうちに考えてみてはいかがでしょうか。

執筆/監修

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