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早くも回復を見せる東京23区への転入者数 ~ コロナ禍における人口移動の状況

2022.08.10

 2020年初頭から流行が始まったコロナウイルス。コロナ禍をきっかけとして、勤務地に縛られないテレワークが拡がりをみせ、東京一極集中の転機になるのではと噂されました。2020年9月には大手人材派遣会社のパソナが本社機能を淡路島に移転すると発表し、世間を驚かせたことも記憶に新しいのではないでしょうか。実際、総務省が公表している2021年の「人口移動報告」において、東京23区は外国⼈を含む集計を開始した 2014 年以降初めてとなる転出超過(▲14,828人の転出超過)となりました。
 では、どういった方々が2021年に東京23区から転出したかと言いますと、男女ともに最も多いのが30代で、次いで0~4歳までの乳幼児の転出が多くなっています。つまり、比較的若いファミリー層の転出が顕著だったと言えます。他方、男女ともに20代前半は23区への転入が最も多い世代となっており、コロナ禍においても、若者の都心に対する人気の高さが表れています。

 次に、足元の動きを見てみます。総務省の「人口移動報告」によると、2022年1月~6月上半期において、東京23区は+27,037人の転入超過となっており、2021年上半期の+9,611人と比較して約3倍の転入超過数となっています。テレワークが引き続き多くの人達に利用されている状況にあっても、東京都心住まいへの回帰の兆しが早くも現れ始めています。
 勿論、2022年上半期のデータだけを見て、「コロナ禍においても、東京一極集中は崩れなかった」と断じることはできませんが、テレワーク普及の有無を問わず、東京都心に住むことへの人気は引き続き高いようです。

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